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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『キングコング』(1933)

キングコング』(1933) フェイ・レイ ほか

映画監督が新作を撮るために凄い何かが存在するという伝説の島を目指して旅に出る。その前に、男だらけの長い航海にも耐えられる女優を、ということで街を探し歩いていると、逸材を発見。船内のリーダー的存在である船乗りは、当初女を避けようとするが、二人の距離は縮まっていく。ようやく島に着くと、そこでは原住民たちが、コングに女を捧げるという儀式を行っていた。その様子を撮影するアメリカ人たちは、すぐに見つかって一触即発のピンチ。ところが、金髪美女をみた原住民たちは、こりゃコングへのプレゼントだ、と騒ぎだし、こっちの女6人と交換しようと持ちかけてくる。よっしゃ、じゃあ考えとくわ、とその場をやり過ごして船に帰る一行。しかしその夜、原住民たちは船を襲って女を奪っていってしまう。彼女の不在に気付いた船員たちは、彼女の救出に向かう。その頃、彼女はコングに捕まっていて、絶叫しまくり。恐竜やら巨大蛇やらがコングに襲いかかるんで、女優はさらに絶叫する。次々と強敵をなぎ倒すコングの隙を見て、例の船乗りが彼女を連れて逃げることに成功。ところが、どうしても手柄をあげたい監督は、コングを生け捕りにしてNYに連れて行くと言って聞かない。世紀の大発見として見世物になったコングは、予想通り観客の前で鎖を引きちぎって暴れ出す。次々と人を殺した末、金髪美人女優を手に入れたコングは、エンパイアステートビルに登る。そこで機関銃の弾丸を受けて絶命する。

何だよこの話。「未開」の地にズカズカと入り込んだ白人様が好き勝手したうえに、見世物として動物を連れ帰って、暴れたから殺しました、ってこんなの見て何を思えばいいんだ。こりゃまるで白人様の黒人に対する仕打ちのようにも見えるが、しかしそれを反省している映画という風には全然見えないな。時代が時代だけに仕方ないか。にしても、キングコングは美女をどうしたかったんだ。何だかんだで美女を守っているけれど、一緒に暮らしたかったのか。その割には扱いが雑だろ。だから美女の方もコングを恐れるばかりで、一向に心が通い合わない。絶叫のトーンがずっと一緒で、あんた、それじゃ一流の女優にはなれませんよ、と言いたいが、一応一流女優だからあんまり腐せない。

まぁこの時代にこれだけの映像を作り上げた、というところに価値のある作品なんだろう。

キングコング [DVD] FRT-032

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映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ【新装増補版】

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