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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ペコロスの母に会いに行く』

映画・ドラマ

ペコロスの母に会いに行く』 岩松了 赤木春恵 ほか

父の死後、すっかりボケてしまった母を介護施設に入れるんだけど……というお話。

詳しいことは何も語られていないけれど、嫁のいない主人公の中年親父が、30手前の息子と共に、母のいる実家で暮らしている。主人公は、広告の営業マンだが仕事は全くやる気無しで、飲み屋の端っこで歌を歌わせて貰ったり、マンガを描いたりしている。そのペンネームが「ペコロス」だ。物語は、ボケてしまった母親との悲しいんだけど笑っちゃうしかないような日常と、それを見つめる主人公の切ない目線、ボケながらも母が決して忘れられない記憶、を行ったり来たりしながら展開していく。

母が忘れられないのは、幼くして死んでしまった妹、離ればなれになった後きちんとした再会を果たせなかった親友、そして乱暴者ゆえに自殺まで考えさせられたそれでも愛しい夫である。彼女たちが死んでしまったことすら認知できなくなった母は、しかし、劇の終わりに彼女たちとの再会を果たす。母がボケているからである。母には、見えないはずのものが見えてしまっているのだ。だが、その様子を息子は優しく見守る。そして、良かったな母ちゃん、とつぶやくのだ。

正直、あまりテンポが良いとは言えないし、介護を中心とした現在のエピソードに比して、母の記憶の中にある過去のエピソードにイマイチ切実さを感じなかったのは、私と世代が違うからか私に感受性が足りないからか。それにしても、赤木春恵は90目前でこの演技なんだから素晴らしいとしか言いようがない。一方、原田貴和子はピンと来なくて、最初フォーリンラブの人が出てるのかと思った。加瀬亮のキャラクターもよく分からなかった。

ペコロスの母に会いに行く 通常版 [DVD]

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