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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『三つ数えろ』

『三つ数えろ』 ハンフリー・ボガート ほか

探偵もの。ミステリーって、作劇を考える上ではとても重要だ。というのも、観客が観るのは、事件が発生して謎を解くという主人公の一連の行動だけれど、一方でこれを作る側の人間は、結論すなわち事件の全容をまず用意しておく必要があるから。ミステリに限らず、あらゆる劇が基本的にはラストから逆算してオープニングを作り、そのオープニングからラストまでを矛盾無くつなぐことで出来上がっている。

しかし、ミステリーが、少なくとも凡庸なミステリーがつまらないのは、それが作劇の過程をそのまま提示してしまっているから。「実はこうだった」「実はあれだった」「実は」「実は」が連続する。でも、それは最初からそうだったのが分かっただけ、ただなるようになっただけ。それなら、オープニングとエンディングを観れば済む話だ。ドラマは主人公が結論に至るまでの過程に意味があるのであって、作劇の手の内が明らかになるようなドラマではドラマの意味がない。

この映画、話が込み入ってて、「実は」「実は」の連鎖に陥っていないか。ハンフリー・ボガートも『マルタの鷹』『カサブランカ』と全く区別の付かない演技だし、スティーブ・マーチンの『四つ数えろ』の方が私は断然面白かった。

ちなみに、この映画を最後に、しばらくDISCASはお休み。もう29歳を目前にしたオッサンだからだろう、仕事から帰ってくると耐えられないくらい眠たくなる。プールも休んで、映画もお休み。ボケた頭で映画を飛ばし観しているから、ろくな感想も持てない。これからは、ぼちぼち溜め込んだ本を読もうと思っているが、映画も観られない奴がどうやって本を読むのか、自分でも分からない。

三つ数えろ 特別版 [DVD]

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映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ【新装増補版】

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