京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ヨーロッパ思想入門』

『ヨーロッパ思想入門』 岩田靖夫

ヨーロッパの思想は、ギリシアの思想とヘブライの信仰をベースにしてる、っていう話で、それぞれがどういう考え方をしているのかを史料から読み解いていく、といった内容の本。それらの思想が、後にどんな風に西洋哲学として展開していったか、も考察する。

何だか評価の高い本だけれど、『ジュニア新書』としては最低といわざるを得ない。ジュニアに読ませる気あんのか? とにかく、小難しいのよ。こちらの脳の問題もあるから何とも言えないけれど、大学生でもこれをすんなり読める人間は少ないのでは? まして中高生にこれが読めるとは思えん。頭の良い子なら読めるんだろうけど、「ジュニア新書」で『入門』を謳う以上、もう少し工夫しろよと言いたくなる。こんなんじゃ、「あぁ、めんどくせえ、やっぱ哲学なんてやーめた」と本を放り出す子供たちは増える一方だろう。こうやっていい大人が「私はバカです」とへりくだって、「ジュニア新書」を手にしているというのに、それを足蹴にするなんて、ホント賢い人って酷いですよね。

ははぁ、なるほどと思ったところだけ。ギリシアは理性がキーワード。知的に物事を捉えていく。だから万物は水だ空気だ、と、この世の構成要素を考えたりする。さらに、人間は、世界は、こうあるべきだ、という理念・理想で動いていく。例えば、自由と平等とかね。美術品にしたって、筋骨隆々の像が作られたりして、これはまさに人間の理想を表現してる、というわけ。で、神は、人間が理想とする最高の人間像の象徴だと。なるほど、と思いました。芸術と思想は、こういう風に繋がるのか、と初めて知ったような気がした。

それから、デカルト。全てを疑った末に、疑っている自分を否定できないことに気付いた、という理解でここまできたけれど、少し違った。デカルトは全てを疑った末に、「この世に確かなものは何もない」という考えに至った。しかし、「この世に確かなものは何もない」という命題を真とするには、「この世に確かなものは何もない」と考える私の存在が必要不可欠だ、と。単なる気づきというよりは、かなりロジカルに結論に至ったんだね。さらに、この「必要不可欠な私という存在」は飽くまで「精神的な私」であるということ。だって肉体はないかも知れないから。でも「考えている私」は存在している、とまで徹底的に考えた。ここに、精神と肉体という二元論が生まれるんだと。へぇーと思いました。

キルケゴールとかニーチェのところもまぁまぁ面白かったけれど、全然覚えてない。まぁ、こんなもんでいいかな。一旦寝かして再読しようか迷っているところ。

ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)

ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書)