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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『映画はやくざなり』

『映画はやくざなり』 笠原和夫

東映でヤクザ映画を書いていた有名脚本家による本。前半で脚本家生活を振り返り、後半は脚本術と「骨法」の話。付録的に未公開シナリオが収録されている。

笠原が脚本家をやっていた時代はヤクザ映画が全盛で、会社の命令で半ば仕方なしにヤクザ映画を書いていたとか。長年ヤクザ映画を書き続けると、自身もヤクザのような風体になってしまうのだろうか。なかなか厳ついルックスをしているが、語り口はおもろいおっさんで、非常に読みやすい。

シナリオの書き方については、徹底的に取材をしてから筆を執る、というスタイル。これはヤクザ映画という明確なジャンルがあって、それにこのスタイルが合っていたというだけで、取材は創作の補強というスタンスを取る松竹スタイルの方が、私は理にかなっていると思う。「骨法」は面白くなる映画の法則を10個にまとめたもので、経験則ながら結構、的を射ている、という感じか。結局、テクニックなんて後で良いから、どす黒い情念を使って書け、ということなんだけど、読み物として面白いので、手に取ってみて良いかも。

ただ、収録されているシナリオは好みじゃなかったな。凄く上手に書けているんだけど、お膳立てが整いすぎているというか、脚本家の意図が透けて見えてしまっているともいえて、ちょっと鼻につく。内容的にも好みじゃなくて、読んでいるだけで汚くて悪臭が漂うかのようだった。ということは、やっぱり上手いってことなんだろうな。

映画はやくざなり

映画はやくざなり