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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

泣けないからじゃない

泣きの演技の時に目薬を使うという話は良く聞く。泣けない役者が涙を流しているように見せるための古典的手法だ。今でもそんな古くさいことをやっているのかは知らんが、プロならともかく、話題性だけのクソみたいなキャスティングが多いから、なんだかんだで目薬のお世話になっている自称俳優・自称女優のタレントは多いと思う。

ところが、聞いた話によれば、最近ではそのような古典的手法としてではなく、最新の技術として目薬が用いられるのだとか。その方が美しく見えるから、というのが理由らしい。どういうことか。

男と女が向き合って何かを話す。その後、女の顔がアップになって、片方の目からツーッと涙がひとしずくこぼれる。このひとしずくの涙を演出するために、目薬が使われるというのだ。涙を流すのに、目を真っ赤にしたり、顔をくしゃくしゃにするのでは美しくないというのである。

酷い話だ、と思うが、ドラマには美男美女しか出ないのが常だし、そんな風に文句を言っても、結局ブサイクがやってるドラマは誰も見ないし、これは当然の帰結なのかも知れない。内面の発露としての演技を否定する平田オリザみたいなのに言わせれば、泣いてるように見えるんだから良いじゃない、ということになるのか。

生きてるように見えるなら、死んでたって良いんじゃない? という時代もすぐそこだ。