読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『エッグ』

シナリオ・戯曲

『エッグ』 野田秀樹

3/24に『逆鱗』を観に行くので、『エッグ』をおさらい。立ち読みしてみると案外読みやすい感じだったので戯曲を買ってみた。シェイクスピアとかチェーホフみたいな戯曲を読んでいると、現代劇の戯曲って映画シナリオとほとんど変わらないことに驚くよね。随分前にクドカンの『鈍獣』を読んで、なんだ「劇場の舞台」が舞台だということに気を付ければ戯曲も書けるじゃん、とか思ったものだ。まぁ、書けないのだが。

で、野田秀樹の戯曲を初めて読んだけど、こんなの素人に(プロでも)書けるわけ無いじゃん。

劇(ドラマ)ってさ、物語が始めから終わりの線で繋がっているでしょう。いわば、「→」でひとつの方向に向かっている。それに対して、この劇はいくつかの同心円で構成されていて、その中心・核心に急速に収束していく、という展開になっているわけ。正直、ラストは説教クサくて凡庸な結論だと思うけど、この構成力はお見事と言うほか無い。野田秀樹はもともと言葉遊びから創作していたらしいけど、そこら辺は乗り越えたというのか、上手く味わいとして残しつつ、展開の妙で楽しませてくれる。極めて演劇的なのは、一つの円から一つ内側の円に移行する際の、つなぎ目のぼやかし方。これは映像では不可能だし、無意味だろう。ここら辺は、演劇的なセンスがないとどうしようもない。私みたいに普通の発想しか出てこない普通の頭では、テレビドラマくらいしか書けない。いや、それも書けないのだが(本日二回目)。

しかし、上手いと唸らされるけれど、面白いかというと、私はあんまり好きじゃないのかも知れないな。笑って泣ける松竹新喜劇(観たこと無いけど)みたいなのが好きなんで、私にはちょっとインテリすぎるかも知れない。

エッグ/MIWA: 21世紀から20世紀を覗く戯曲集

エッグ/MIWA: 21世紀から20世紀を覗く戯曲集