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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

我ながらすごさを感じるとき

小さな頃は本が嫌いだった。大きくなってからも本を読むようになったわけじゃない。テレビを観るかゲームをするかくらいでしょ。といっても、それだってそんなに熱中してやっていたわけじゃない。漠然とまぁ普通に楽しんでいたのかな。クラスメイトなんかはさ、凄い攻略法を見つけたり、ゲームに隠されたシステムなんかをきちんと把握して効率よくクリアしたり、お兄ちゃんお姉ちゃんに裏技なんかを教えてもらったりしてさ、同じことをやっているのに、まるで違うもので遊んでいるみたいだったな。大きくなってからはほとんどパソコンで時間つぶし。何をやっても、何をやるにも、普通だった。そもそも「何をやっても」って、自分から何かをやったことなんかなくて、いつも誰かに与えてもらったり、誰かがやっていることの後追いだもの。頭のてっぺんから、足のつま先まで、平凡が行き渡ったような凡人だ。

なのにさ、私は文筆業で生きていきたいなんて考えているわけでしょう。その度胸が凄いなぁと、たまに思うときがある。

そういえば遠い昔に書いた作文が何人かの大人に褒められたことがあったかも知れない。でも、いわゆる優等生が書くようなきちんとした文章ではなかったし、未来の作家を思わせるような独創的な文章を書いていたわけでも決してない。むしろ、読書経験が一切ないから基礎的な教養も何一つ無くて、だから成長もなくて、あの頃書いていた文章といま書いている文章にはほとんど違いがないのだもの。

それでもこうやって、毎日何でもない、何にもならない文章を書き続けている。だからさ、たまに自分って結構凄いんじゃないかな、とか思う。これだけ中身が空っぽなのに、掘り下げるほどの底もないのに、掘っても掘っても普通なのに、どうしてこうなんだろうと思う。