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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『臨床犯罪学者 火村英生の推理』

『臨床犯罪学者 火村英生の推理』 斎藤工 窪田正孝 ほか

いやはや、最低としか言いようのないドラマだった。好きな人ゴメンね。

大学準教授の火村英生は卓越した観察力推理力を活かし、フィールドワークと称して殺人事件の捜査協力を行う<臨床犯罪学者>。親友の小説家・有栖川有栖を助手に従えて難事件を解決していく、という探偵モノだ。

火村は自分が殺人犯になる夢を何度も見てはうなされ、殺人現場に立ち会うたび、自分がその犯人として殺人を犯す姿を想像する。推理の途中では恍惚の表情を浮かべ、殺人事件を楽しんでいるかのよう。しかし、問題が解決したときの決めゼリフは「この犯罪は美しくない」というもの。火村はかつて「美しい犯罪」に魅せられ、自分がそれを完成させようと思っていた時期があるというのだ。学者になった彼は、臨床犯罪学者として、「美しい犯罪」がこの世に存在しないことを証明しようとしている。とはいえ、彼の中の「美しい犯罪」への憧れがまだ完全に失われたわけではない。この深い闇を抱えた主人公が、あちら(犯罪者)側に行ってしまうのではないか、と傍で見守るのが助手の有栖川だ。

二人は大学からの腐れ縁だと言うのだが、役者のルックス的にも同級生とは思えないし、ドラマの内容的にも何がそんなに二人を強く結びつけているのかさっぱり分からん。助手、友人、親友、を超えたホモっぽい関係で、どうもこのドラマその手の客層に向けた演出がチラホラ見受けられる。というか、それこそが見せ場という感じで、ストーリーとかキャラクター的に凄く薄っぺらい。

週一で殺人事件が起こり、それとは別に、ドラマ全体を貫く要素を思わせぶりに小出しにしていく、というのが続くんだけど、これもしょーもない、というより結果的に描き切らずに放り投げた感じ。かつての火村を思い起こさせる「美しい犯罪」に魅せられた連続殺人犯の少年とか、人心を操る術に長けたカルト教団の教祖が火村の「美しい犯罪」への欲望をかき立てようとする、とか。もの凄く思わせぶりにしておいて、えっそれで終わり? という感じ。

まず、週一の殺人事件そのものがつまらん。なんでかって言うと、火村の「闇」という伏線がドぎつすぎて話の中身が入ってこないから。しかし、結局、火村が「人を殺したいと思った理由」は判然としないまま。それが仮に「美しいと思ったから」というものであっても、その経緯は用意できるんじゃないの? いつからそんなことを思っていたのか、とか、それが有栖川と出会う前か後かで二人の関係性も随分違って見えてくるはずなんだけど、そういうところは全くノータッチ。「火村」という最大の謎がこんな感じで処理されているから、他の話も知れたもの。

連続殺人犯の少年が東京から舞台である京都にやってくるんだけど、それはその週の殺人事件のミスリードに使われただけ。あと教祖様との対決がラスト2週で展開するんだけど、突っ込みどころが多すぎる。

最終回直前では、火村の殺人欲を引き出すために有栖川誘拐殺人計画を実行するんだけど、結局誘拐しただけで殺さない。なんで? 物語上、その計画は十分成功したはずなのに。全く説得力がない。こんなの主要キャストだから死ななかっただけだろう。

最終回はさらにひどい。教祖様と直接対決するのに、内容は「モンティ・ホール問題」。火村と有栖川のホモっぽい関係が異様に強調される一方、火村は強引なスタンドプレーを同じパターンで繰り返し、教祖様と二度目の対決。で、その対決内容を明かさないままEDなんだから、最低としかいいようがない。しかも外伝をHuluで配信って、お前ら明日から「ゲスの極み」って名乗れよ。その配信されるドラマでも、有栖川との「馴れ初め」が描かれるらしい。絶対観ません。

京都バカの私が京都が舞台と言うだけで最後まで観たけど、もうほとんど京都なんて関係なかったな。たまに街を走って、それが京都というだけ。実際はほとんど東京だろう。色んなテレビに宣伝で出ていた斎藤工はおもろい兄ちゃんで結構好きだなと思った。窪田正孝はONとOFFの演技しかなくて、急にスイッチが入るところに凄く違和感があった。あんまり好きな俳優じゃないな。

とまぁ、文句ばっかり言ったけど、好きな人はゴメンね。