京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

シェーファーのボールペン

財布の中身を使い果たして昨日買えなかったペンを買い求めて、梅田の阪急百貨店まで行った。異動する上司への贈り物だ。この日、送別会が梅田で開かれることになっていたのでちょうど良かった。もう贈り物なんてやめようと思っていたのだけれど、仕事が早く終わって、送別会まで時間ができたので、やはり買うことにしたのだ。

その上司、アメリカが好きで、毎年のようにアメリカに旅行へ行っている。ベガスかNY。別に知りたくもないのにさんざんアメリカの話を聞かされ、日本と違ってアメリカは良いとか、アメリカ人の生き方がどうのこうの、年に一回旅行に行っただけでそんなにも詳しくなれるものなのかは知らないが、黙って聞いていたものだ。そんなにアメリカ好きなら、ということで、クロスのボールペンを買おうと思っていた。アメリカ製のペンなんてクロスしか知らないし。

ところが、高え高え。悪いけど、こんなの買えないわ。せいぜい3千円くらいのものを渡そうと思っていたのに、5千円切る商品がないんだもの。お世話になったとはいえ、苦手な人だし、別れが惜しいわけでもないのに、時給4時間分のものなんて買えるわけがない。

そこで、お店の人に頼んで、3千円で高級感のあるペンを下さいとお願いしてみた。はいはいただいまと持ってきてくれたのは、パーカー、セーラー、シェーファーの三本。どれも3千円だという。シェーファーだけは知らないメーカーだったが、聞けばアメリカのメーカーだというので、即決した。その後、書き味を試させてくれて、シェーファーが一番品質が悪かったんだけど、もうこれでいいです、と包んでもらった。

プラダアルマーニ、と露骨なブランド主義で、ティファニーの金の懐中時計をこれ見よがしに持つような、下品な趣味の上司は、あの無骨なデザインはきっと気に入らないだろうが仕方ない。

大したものじゃないから、と値段を言って渡せば、「あぁまぁ俺は普段〇万円のペンを使ってるからね、ありがとう」とか言っちゃう人だけれど、さぁ使ってくれるかどうか。