京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『6才のボクが、大人になるまで。』

『6才のボクが、大人になるまで。』 パトリシア・アークエット イーサン・ホーク ほか

同じキャストで12年間掛けて映画を撮ったという話題作だが、それ以上でもそれ以下でもないという印象。歳をとれば人間が変わっていくということに、役者たちがリアルに歳をとっていくことで説得力を持たせることには成功していて、それがこの映画の要なのだろう。一番わかりやすいのは、主人公の実の父親の変化ではないか。チャラい親父が、歳を重ねて落ち着いた男になっている。子供に限らず、人間は変わっていくのだ。(というか、主人公は図体がデカくなるだけ。学校や社会が俺を縛るんだ自由になりてえという尾崎豊イズムを炸裂させるばかりで、とても成長しているようには見えないのだが……。)

人生なんていうのは、振り返ってみればあっという間だ。それは思い出そのものに時間が存在しないから。順番に思い出を並べることで、そこに時間の流れが現れる。この映画はまさにそれだ。というより、映画というものが、まさに思い出語りと原理を一にしている。それなりに色々あったけれども、それを呆気なく過ぎたものと感じて嘆く中年の母親と、これからの一瞬一瞬を大切に生きていこうと思う若人の主人公が対比されて映画が終わる。長い長い映画で言いたかったことは、大体こういうことなんじゃないかな。ストーリーめいたものはないんだから、要点なんか知るかよ、と言いたい。

まぁ私は全然好きな映画じゃないな。映画が、映画でしか表現できないものを表現しているときに、映画好きが絶賛することがあるけれども、これもそれでしょう。映画を支えるドラマを見たいと思う観客には、退屈でしか無いと思う。私は知らなかったけれども、こういう、親が離婚して別の配偶者を得てそこにも子供がいて(あるいは産まれて)というのを、ステップ・ファミリーというらしくて、これもまた日本人には馴染みがなさ過ぎてなかなか感情移入できない。

それにしても高校卒業=子供終了で、親から完全に独立しなきゃならんというのは、未だ(一生?)寄生してる私としては耳が痛いものだった。

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