京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 マイケル・キートン ほか

かつての映画スターが再起をかけてブロードウェイの舞台に挑戦する、という話。

主人公は過去の栄光に囚われており、自らが主演を務めたヒーロー「バードマン」に付きまとわれている。つまり、幻聴だ。主人公は自分が役者を目指すきっかけとなった作家の作品を舞台化することで、俳優としての再起を図っていた。世間からの承認を得て、自分の存在することを確かめたい主人公は、それに執着するあまり、周りからの愛を得られないでいることに気付いていない。確執のあった娘をマネージャーとして働かせているが、彼女からは、ネットで話題にならない人間は存在していないのと同じだと言い放たれるのだった。

役者としては一流だが傲慢でクセの強い俳優を迎え、なんとかプレビュー公演にまでこぎ着けるが、結果は惨憺たるもの。ところが、その最終日、あるアクシデントによって主人公はネットで話題の人となり、図らずも自分の存在を世間に知らしめることになる。しかし、舞台は一躍注目の的となるものの、打ち切りかロングランかの鍵を握る舞台批評家に本公演後の酷評を宣告されてしまう。意気消沈した主人公は、ある覚悟を持って本公演初日を迎える――。

ストーリー全体のことを言ってしまえば、統合失調症患者が快方に向かった(だろう)というだけ、ラストのオチを言えば、舞台上での自殺未遂が結果オーライだった、というだけ。劇中劇が本編のモチーフになっているとか、疑似ワンカットによって、現実と妄想の世界を曖昧にさせる、という手法が物語内容にとって唯一無二なのが面白いけれど、それ以上のものは無かったかな。脚本構成はなんだかんだでハリウッドの伝統的な起承転結だった。

しかし、マイケル・キートンも気づけばこんなジジイになっているのか。