読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ルーム』

『ルーム』 ブリー・ラーソン ジェイコブ・トレンブレイ ほか

拉致監禁された母親と誘拐犯との間に産まれ、一度も部屋の外に出たことのない5歳の少年が、本当の世界を知っていくという話。

前半はウンザリするような監禁生活。後半は外の世界を描く。部屋の中が世界の全てであった少年が本当の世界に順応していく一方、母は失った時間に愕然とし、誘拐犯の息子を受け入れられない実父の存在や、テレビのインタビュワーの痛烈な質問などによって、どんどんと気を病んでいく。

少年は幼いが故に、そもそも本当の世界を知らずに育ったが故に、そんな母の苦悩を理解できない。しかし、ただ純粋に母親を必要とする少年の存在によって、母は再び生の世界に戻ってくる。そして、母は忌まわしき「ルーム」と、少年は世界の全てだった「ルーム」と、それぞれの訣別を果たす。

まぁ尺の問題もあるんだろうけど、再現VTRとかで触れられそうな論点ばかりで、そんなに深い話じゃなかったな。

先は見えているのに、少年が部屋から脱出するシーンは結構息を飲んだし、その後、少年を保護する女性警官が、少年からの数少ない情報で瞬時に拉致監禁事件と見抜き、犯人の居場所を特定する仕事っぷりには感心した。この警官がいなかったら、この映画の後半はなかっただろう。