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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ゴーン・ガール』

映画・ドラマ

『ゴーン・ガール』 ベン・アフレック ほか

久々にすげえ映画を見た。

突然妻が失踪し、殺人の疑いを掛けられてしまった夫の話(?)

知的でミステリアスな妻が普段どんなことを考えたり感じたりしているのか、夫にはよく分からない。そんな妻が、想像を絶するサイコパスだった、ということが明らかになっていき、結局、彼女が何を考え何思うのかますます分からなくなってしまう。

長大な映画だが、全く退屈させないストーリーテリング。妻が失踪し、あらゆる手がかりが主人公である夫を指し示す、というのが一幕。二幕目で、突然、それが妻の自作自演で夫をはめるための罠であったことが明らかにされ、それに気付いた夫が抵抗を試みるも状況がますます悪化していく。最終幕では、窮地に陥った妻のウルトラCが炸裂し、主人公は妻と仮面夫婦を続けざるを得なくなってしまう、というおぞましい展開だ。妻が日記を用いて夫婦生活を振り返ることで、妻の犯行の動機をサブテキスト的に語りつつ、それが夫が犯人であると物語るための証拠物件になる、という構成のうまさには舌を巻いた。白人様は本当にどえらいものを作るんだと感心してしまった。

妻が夫に復讐する動機が良い。浮気されたから、というのは、あくまで引き金。自分という存在がいながら、いわば精神的な向上心を持ち続けない、イイ男であり続ける努力をしない、ということに妻はキレているのである。こいつをモノにしたい、という一念から男はイイ男であり続けようとするわけでしょう。その努力を怠るということは、相手を認めないということ。この女は、一度手に入れた他人からの承認に異常に執着するわけです。

この信念を持ったキチ○イ女のゾクッとするような美しさは一体なんだ。主人公である夫が悪女に追い詰められているにもかかわらず、妻が逆にピンチに陥ったとき、心のどこかで応援してしまっている自分は何だ。

まぁ、もうちょっと詰めて短くしても良いと思うんだけど、ホント面白かった。ちょっと疲れてしまったくらい。