京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

無償の承認

近々公開するという『世界から猫が消えたなら』が気になっている。今年一番泣ける映画、という触れ込みで、試写会で観客が泣く様子を大々的にアピールしている。泣いているのはオンナノコばっかり。原作は知らんが、脚本は岡田惠和。まぁ、そういう映画なんだろう。

しかし、思い返してみれば、私が好きな映画ってそういうのばかりかもしれない。要は、他人から無償の承認が得られるようなストーリーに涙してしまうのだ。主人公が何かを成し遂げ世界からの承認を得る、というのではなく、その人がその人であるが故に承認されていることを確認できる、というストーリー。

たとえば、無能で出来の悪い子供であるにもかかわらず(あるいは、それだからこそ)一般的に親は子を愛するでしょう。世間からは見向きもされない、無価値で無意味な、無存在に等しい「私」を、かけがえのない存在と言ってくれる。

そういう、甘ったれた話が、結局のところ好きなのだ。温室育ちここに極まれりという感じがする。とはいえ、私の本当の価値って何なんだろう、私が生きている本当の意味って何だろう、とやはり思う。この思いと、甘ったれた映画のストーリーがぶつかり合う。出来れば、私は映画に負けたい、と思っている。