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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ドラマとは何か?』

脚本術・映画学・物語論

『ドラマとは何か?』 川邊一外

映画にせよ舞台にせよテレビにせよ、劇すなわちドラマを見て感動する。それが不思議でたまらなかった。どうして感動するんだろう。いったい、何が起こっているんだろう。自分でもそんな作品を作りたい、と思うと同時に、劇が引き起こす感動の秘密を知りたいと思った。

結局、この本もなぜ感動するのかという話については踏み込めていないのだけれど、ドラマと名の付く現象がどのような原理の上に成り立っているのかについて、かなりうまく設計図を書き出せていると思う。後にこのブログで取り上げることになるが、本書は脚本家のバイブルとされるRobert Mckeeの"Story"と同じ内容を論じているのだ(『ザ・ストーリー』 Chapter7)。しかし、この本は"Story"より出版年が早い。日本人は"Story"よりまず先にこの本を読むべきだったのだ。

本書を読めば「ドラマとは葛藤である」なんて、したり顔で説明するワナビー崩れのシナリオ講師をついつい鼻で笑いたくなってしまうだろう。で、じゃあ原理が分かったら書けたのか、と言われるとゴニョゴニョと口籠もるしかないのだが。

テクニックではない、心構えでもない、創作における心の使い方のヒントをくれる希有な一冊。まぁ結局、映画の面白さは構成だというところにオチてしまうし、構成の研究は今の方が進んでいるから、そういう意味では時代遅れなんだけれども。

ドラマとは何か?―ストーリー工学入門 (映人社シナリオ創作研究叢書)

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ドラマとは何か?: ストーリー工学入門

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