京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

型にはめすぎると疲れる

私がサスペンス劇場と時代劇を見るのは、明らかに祖父の影響だろう。とはいえ、その筋書きやら役者の演技に惹かれているのではない。祖父母の家で祖父と一緒に見ていたあの時間、親とその親に守られていた絶対安全な子供時代、を思い出すから見るのだ、と自分ではそう分析している。

また祖父母の家を訪れた。じいさんは相変わらずサスペンスドラマと時代劇を行ったり来たり。2時間もののサスペンスを2本連続で見たりするんだけど、12時から始まって14時に終わるものと、13時から始まって15時に終わるものがあって、14時に終わった途端にチャンネルを変えて、次のを見始めるから、2時間もの2本トータル4時間分を3時間で見ることになる。まぁ、これでも十分話が分かってしまうのがサスペンスドラマの怖いところなんだけど、案の定、家事をしながらテレビを見ている祖母は何のこっちゃさっぱり。1本目のドラマで起こった事件を、2本目のドラマで解決したりする。

昨日は相棒を2本連続で見た後、水戸黄門が始まる、由美かおる主演らしい、と言いだし、チャンネルを変えると始まったのが『水戸黄門外伝 かげろう忍法帖』。水戸黄門の単発2時間か、きっつー、と思ってたら、1時間で終了。後で知ったんだけど、これ水戸黄門のシーリズ繋ぎのための連ドラなんだね。私はちょうど第一話を見たわけだ。にしても、話が雑すぎる。

水戸の黄門様にお仕えしている入浴シーンでお馴染みの由美かおるが、月ヶ瀬(奈良)へ里帰りの道中。大和郡山(奈良)のお城で、殿の座を狙う悪者がいて、こいつは水戸の黄門様に目を付けられるのを恐れている。そこで、黄門様と繋がりのある由美かおると、その故郷に住まう一派を亡き者にしようと画策。これによって、一派の頭領が死んで、由美かおるたちは敵の悪巧みを防ぎ、ついでに弔い合戦を行うことを誓う。で、悪を成敗、と。

なんか、悪の方は、余計なことをせずに淡々と悪事を進めておけば、それで済んだんじゃないのか、下手に由美かおるに手を出したから、却って事が大きくなってしまったんじゃないのか、という気がする。月ヶ瀬と郡山って結構離れてるし、月ヶ瀬と水戸なんてメチャクチャ離れてるのに、リニアにでも乗ってんのかいというくらいのスピードで繋ぎを出したり、助っ人が訪れたりして、お前らさては太秦の撮影所にいるな、と疑わざるを得ない。

中村橋之助京本政樹、野村将希が立て続けに登場し、スピンオフだけど第一話だけは特別に助さん格さんも登場で、濃ゆい濃ゆい。中村橋之助は身のこなしが軽くて、登場シーンはちょっと格好良かったけど、他は20年前とはいえ、ダサいにも程がある。ステレオタイプのようなお色気くノ一(?)が出てきて、芋っぽい演技も古さを感じさせるし、安いエフェクトの忍法で敵を翻弄するところとか、発想がジジイすぎる。志村けんのバカ殿さまとか、マツケンサンバとかは、ここら辺のダサさをモチーフにしてるんだろうな(という意味では大変優れているんだけど)。

敵はドクロの仮面を付けた悪の軍団で、アクションの演出とか、まさに東映の特撮モノ。途中で気付いたけど、主要メンバーも5人で、これって戦隊モノを時代劇としてやった、っていうことなんだな。あり合わせのノウハウでパパッと作られていて、ホント、小さい頃に見た何とかレンジャーを思い出した。という意味ではとても懐かしくて、その懐かしさを求めて時代劇を見るんだから、良かったのかも知れない。

でも、見終わった後、なんかドッと疲れた。じいさんが引き続いてサスペンス劇場を見始めたので、さすがに部屋を移ったのだった。

ちなみに私が見た本作の第一話が、15分に編集されてYouTubeにアップロードされている。見事な編集で、本作が60分を必要としなかったことがはっきりと分かるようになっている。それにしても由美かおるの演技が下手くそで見てられん。「この小娘が!」とか言われてるけど、勘弁して欲しい。