京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ザ・ストーリー』 Chapter1

『ザ・ストーリー』 Chapter1 ロバート・マッキー

目次:

INTRODUCTION 型破り脚本術
Chapter 1 ストーリーは「生きる」こと
Chapter 2 構成のスペクトラム
Chapter 3 物語世界を創造する
Chapter 4 ジャンルと決まりごと
Chapter 5 構成とキャラクター
Chapter 6 思考と感情のデザイン
Chapter 7 ストーリーの本質
Chapter 8 インサイティング・インシデント
Chapter 9 困難の連鎖
Chapter10 シーンをデザインする
Chapter11 シーンの分析
Chapter12 コンポジション
Chapter13 危機、クライマックス、解決
Chapter14 敵対者の原則
Chapter15 状況説明
Chapter16 問題と解決策
Chapter17 登場人物
Chapter18 脚本の実際
Chapter19 プロの流儀

ストーリーは「生きる」こと

ストーリーとは何かを考えよう。ストーリーは「生きる」ことに他ならない。混沌とした世界を生きる人間に、物語は秩序を与えてくれる。ストーリーに浸って、知的/感情的満足を得ること(=エンターテイメント)によって、人は生きる実感を得るわけだ。

したがって、価値が混乱/崩壊すると、それはそのままストーリーの崩壊につながる。脚本家は人生に対する洞察を得て、価値や意味を世界に提示しなければならないのだ。ストーリーは人生のエッセンスを取り出したもの。ただし、人生のようであることが必要で、見たそのままであっては意味がない。

事実と本当らしさを区別しなければならないのだ。事実を細かく描写するのではなく、そこに真理を見いだす。事実をどう考えるか、が真実だ。事実は解釈を通じて真実になる、ということである。だから、個人的物語(ただの事実)やスペクタクル(過剰)は、人生との関係が感じられず、失敗に終わる。

ここで自己表現は問題ではない。ストーリーはどんなものであれ、作者の人間性あるいはその欠如をありのままに示すからだ。未熟な脚本家は、これまでに出会った小説や映画、劇から無意識に吸収したストーリーの要素を技巧と取り違え、これを「直感」と呼ぶが、音楽や絵画に基本原則があるように、物語という芸術にも原則(型)が存在する。さらに、文学が言葉を素材とするように、ストーリーは人生を素材とする。

映像の下に隠された人間の真実を技巧を駆使して明らかにするのが、脚本家の仕事なのだ。なお、p.41は才能の有無に苦しむ脚本家のために書かれた神様の言葉が載っている。買った人だけが読めます。では、次回。「Chapter 2 構成のスペクトラム

ザ・ストーリー

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