京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ザ・ストーリー』 Chapter3

『ザ・ストーリー』 Chapter3 ロバート・マッキー

目次:

INTRODUCTION 型破り脚本術
Chapter 1 ストーリーは「生きる」こと
Chapter 2 構成のスペクトラム
Chapter 3 物語世界を創造する
Chapter 4 ジャンルと決まりごと
Chapter 5 構成とキャラクター
Chapter 6 思考と感情のデザイン
Chapter 7 ストーリーの本質
Chapter 8 インサイティング・インシデント
Chapter 9 困難の連鎖
Chapter10 シーンをデザインする
Chapter11 シーンの分析
Chapter12 コンポジション
Chapter13 危機、クライマックス、解決
Chapter14 敵対者の原則
Chapter15 状況説明
Chapter16 問題と解決策
Chapter17 登場人物
Chapter18 脚本の実際
Chapter19 プロの流儀

物語世界を創造する

自分の書こうとするストーリー世界について、知識と理解がないとクリシェに陥る。クリシェというのは、紋切り型、お約束、毎度お馴染みのパターンのこと。

まず、ストーリーの設定。時代、期間、場所、葛藤の4次元で成立している。
時代とは、ストーリーの時間的位置。現代か、過去か未来か。
期間とは、ストーリーの時間的長さ。登場人物のいつからいつまでの話か。
場所とは、ストーリーの空間的位置。どこでストーリーが展開するのか。
葛藤とは、人が何を相手に戦うか。意識化のもの、個人的対立、組織、制度、周囲の状況、環境、社会など。
この設定によって、起こることも自ずと決まる。脚本家は世界の可能性の法則にしたがって、可能なあるいは起こりうる出来事を選択する必要がある。架空の世界であっても、その世界だけのルールがあり、それを決めたら厳格に守らなければならない。時と場所が変われば、ルールも変わってくる。設定という制約を課すことで、限られた登場人物から世界を深く広く理解することができる。世界が小さければ、脚本家の知識は深まり、創造的選択が行いやすくなるだろう。その結果、独創性が高まり、クリシェに打ち勝つことができる。

脚本家は、記憶、想像、事実の3つについて、調査を行う。
まず、記憶。登場人物の人生に関連するような体験を何かしたことがあったか? 記憶を振り返り、追体験、文章化してみる。次いで、想像。想像は一見無関係な断片だが、それぞれの間に関係を見つけ出し、1つのものにまとめあげる。最後に事実。スランプに陥るのは書くことがない(無知)だからで、才能に見放されたわけではない。こんな時は本を読もう。記憶、想像、事実を行き来してアイデアを掘り出していく。アイデアは作品を仕上げるのに使う数倍以上を必要とする。頭のてっぺんにあるのはクリシェであると肝に銘じ、もっと深い場所にある本当のひらめきを手に入れよう。ストーリーが勝手に進み出したと感じたら、脚本家の知識が飽和に達したというサインだ。

では、次回。「Chapter 4 ジャンルと決まりごと

ザ・ストーリー

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