京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

その手をポケットから出せ

NHKでやってた、業界のおっさんが講師役を務める番組で、なんかサブカル史を読み解く、みたいな内容のを少しだけ観ていた。そのとき扱っていたのは「たけし映画」。北野武が撮った映画が、従来の映画と何が違い、どんな凄さがあるのか、なぜ賞賛を受けているのか、というような話なのだろう。

北野映画をこれっぽっちも面白いと思わない私にとっては、語られる内容全てがこじつけに聞こえてしまう。あんな映画、目もくれなかったくせに、あれが賞を貰ってから急いで見直して、やっぱりつまらんのだけど、権威ある賞を貰ったからそれを否定も出来ず、必死に褒める理由を探している、という風に見えて仕方がない。まぁ、リアルに感動している人もいるだろうし、感性は人それぞれ。私はそういう人を否定する気はない。むかつくのは媚びへつらっている奴だ。で、このおっさんがその種の人物かどうかは、判断が付かないが、話はつまらなかった。生徒役の女の子、眠そうだったぞ。

しかし、それ以上に気になったのは、講師役のおっさんの姿勢。北野映画を「拳銃の構え方」(=立ち姿)から読み解く、という話だったのに、ポケットに片手を突っ込んだまま講義してやがる。なんだあの美意識の欠片も無い立ち姿は。パンパンになったジーンズに、無理矢理手を突っ込んでいて見苦しい。見始めたとき、何か準備しているものを取り出すつもりなのかと思ったのだが、違うらしい。全く無意味で、かつ行儀が悪い。なんか、異様に不愉快なのだった。

演劇で「手の持って行き方」という問題がある。芝居をしていると、手をもてあましてしまう。それで、腕を組んだり、ポケットに突っ込んだりする。下手の典型だ。このおっさん、劇作家で演出もしているらしいけど、自分が観られる側に立ったとき、そういうことを考えないのだろうか。