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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ザ・ストーリー』 Chapter8

『ザ・ストーリー』 Chapter8 ロバート・マッキー

目次:

INTRODUCTION 型破り脚本術
Chapter 2 構成のスペクトラム
Chapter 3 物語世界を創造する
Chapter 4 ジャンルと決まりごと
Chapter 5 構成とキャラクター
Chapter 6 思考と感情のデザイン
Chapter 7 ストーリーの本質
Chapter 8 インサイティング・インシデント
Chapter 9 困難の連鎖
Chapter10 シーンをデザインする
Chapter11 シーンの分析
Chapter12 コンポジション
Chapter13 危機、クライマックス、解決
Chapter14 敵対者の原則
Chapter15 状況説明
Chapter16 問題と解決策
Chapter17 登場人物
Chapter18 脚本の実際
Chapter19 プロの流儀

インサイティング・インシデント

ストーリーは、①インサイティング・インシデント、②困難の連鎖、③危機、④クライマックス、⑤解決、の5つのパートからなる。

インサイティング・インシデントは、発端となる大きな出来事のこと。これが起こる物理的・社会的世界のことを設定と呼ぶ。設定を詳細にするために次の8つを考える。①登場人物が生計を立てている手段は何か、②政治はどうなっているか、③儀式や慣習、④価値観(何が善で、何が悪か)、⑤ジャンル、⑥登場人物の経歴、⑦バックストーリー(経歴とは異なる。ストーリー展開に直接関係のあるもの)、⑧配役(考えの違いが際立つ人物を配置する…「対照の原則」)

脚本家という作者が権威(作品に対する神のような知識)をもって書いたものは「本物」になる。「本物」とは、ストーリー世界に矛盾がないということ。独創性は奇抜さからではなく、「本物」であろうとすることから生まれる。

インサイティング・インシデントは動的で、十分に展開するものであること。これによって、バランスの取れた人生が、ポジ・ネガに大きく振れる。インサイティング・インシデントは主人公に直接起こるか、主人公自身が引き起こすから、主人公は人生のバランスを失ったことにすぐ気付く。設定が必要な場合も、主人公がバランスが崩れたことに気付かないまま、長い時間を掛けないこと。

主人公は、インサイティング・インシデントに対して、反応しなければならない。バランスを取り戻すために必要なもの、欠けていると感じるもの、「欲求の対象」が生まれ、主人公をその目的に向かって突き動かす。インサイティング・インシデントによって意識的な欲求だけでは無く、無意識的な欲求も生まれる。意識的欲求があれば、それが超目標。無意識的な欲求があれば、それが超目標。この場合、表面的な意識的欲求は、なんども形を変えることがある。

ここまでをまとめれば、次のようになる。すなわち、インサイティング・インシデントで人生のバランスを失った主人公が、意識的・無意識的欲求を生じて、それを満たすため「欲求」の行動に出て、敵対者と戦い、成功か失敗の結果を得る、というのがストーリーだ。

ストーリーの本質であるセントラル・プロットのインサイティング・インシデントは、スクリーン上で起きなくてはならない。インサイティング・インシデントを見た客は、「義務的シーン」を想像する。ラストまでに必ず見るだろうと思われるシーン。脚本家は約束通り、それを見せること。変化を表現するには、プレッシャー下での選択と行動、義務的シーンとクライマックスによって、主人公が試されなくてはならない。インサイティング・インシデントは全体の25%に達するまでに起こす。ただし15分を過ぎると、飽きる可能性が高いので、サブプロットを必要とする場合がある。インサイティング・インシデントはなるべく早く描く。ただし、観客が十分な反応を示すように、主人公と世界について、必要なことを知らせておく。主人公に起こり得る最悪の事態は何か、それが起こりえる結果となるにはどうすればいいのか、を考えるのが創作の手がかり。

ちょっと羅列っぽくなったが、今回はこれで終わり。次は「Chapter 9 困難の連鎖

ザ・ストーリー

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