京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『ザ・ストーリー』 Chapter9

『ザ・ストーリー』 Chapter9 ロバート・マッキー

目次:

INTRODUCTION 型破り脚本術
Chapter 1 ストーリーは「生きる」こと
Chapter 2 構成のスペクトラム
Chapter 3 物語世界を創造する
Chapter 4 ジャンルと決まりごと
Chapter 5 構成とキャラクター
Chapter 6 思考と感情のデザイン
Chapter 7 ストーリーの本質
Chapter 8 インサイティング・インシデント
Chapter 9 困難の連鎖
Chapter10 シーンをデザインする
Chapter11 シーンの分析
Chapter12 コンポジション
Chapter13 危機、クライマックス、解決
Chapter14 敵対者の原則
Chapter15 状況説明
Chapter16 問題と解決策
Chapter17 登場人物
Chapter18 脚本の実際
Chapter19 プロの流儀

困難の連鎖

困難の連鎖とは、葛藤がどんどん生じ、敵対者との対立が激しさを増し、後戻りできない局面を何度も迎えること。欲求を満たすための行動がギャップを生み、それを乗り越えるための行動が、さらなるギャップを生む。ストーリーを常に進行させ盛り上げるには、調査(想像、記憶、事実)を行い、葛藤を用意する。

葛藤の「質」は変わるが、「量」はいつも一定であることに注意する。外的欲求を満たし、平穏を得ても、それはやがて退屈という内的な葛藤となる、というように。人生は葛藤だ。いかにして愛や自尊心を得て、いかにして心の平和を取り戻すのか。社会的不公正や死とどう向き合うのか、という問題に常に付きまとわれる。

「極限」を体験するには、三幕が必要。アリストテレス以前から、ストーリーは三幕。1幕は2,30分、3幕は20分以内。2幕がどうしてもだれる。これは、サブプロットを挟むか、幕を増やすことで対処する。

サブプロットには、サブプロットのインサイティング・インシデントとクライマックスが存在する。幕を増やすのに最も一般的なのは、ミッドアクト・クライマックス(ミッドポイント)によって、4幕にしてしまう方法。幕の数はそれ以上に増やせるが、幕が増えれば用意すべき幕のクライマックスも増える。これによって、別の問題が生じる。第一に、クリシェを招くということ。第二に、インパクトが無くなってしまうということ。

最後から2番目の幕のクライマックスには、メジャー・ドラマティック・クエスチョンを強化するものをおいて「このあとどうなる」と思わせる。ラストがポジ・ネガのどちらで終わるのか。直前の幕をその反対で終わることで、落差を生み出す。「皮肉なラスト」な場合でも、それがポジ・ネガのどちらに重きを置いているのか見極める。

問題のある脚本を見るに値する映画にするのは、サブプロット。セントラルプロットとサブプロット(あるいはマルチプロット)には4つのパターンがある。
①セントラルプロットのコントローリング・アイデアと対立するものとして、サブプロットを使い、皮肉な状況を生み出す。
②セントラルプロットのコントローリングイデアに共鳴させ、別のストーリー展開によって、テーマの強化を図る。(マルチプロットはこのバリエーション)
③セントラルプロットのインサイティング・インシデントを後で提示するしか無いとき、サブプロットで観客の関心を引きつける。
④セントラルプロットを複雑化する。敵対者を増やす、登場人物の肉付け、セントラルプロットを離れての「お楽しみ」に用いる。

セントラルプロットとサブプロットのバランスには注意すること。

次は「Chapter10 シーンをデザインする

ザ・ストーリー

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