京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

やる気のある社員

いま、普段の部署を離れて仕事をしている。なんでも、この部署で欠員が出たらしく、ピンチヒッター(といっても全く仕事は出来ない)として出場が要請されているようなのだ。ここはいつもの部署と違って暇なんだけど、仕事のやり方が違うし、目指しているところも違うから、普段のように忙しさを理由にしてサボることが出来ない。暇な故に逆に忙しく働く必要がある、という矛盾。仕事をしていない奴としていつも以上に浮き上がってしまっており、とても居心地が悪い。

まぁ、そんなの今に始まったこっちゃないわ、と平然と構えるフリをして、相変わらず、盆だけにぼんやりと仕事をしていたら(仕事はほとんどしていないが)、自分の所属部署の上司、要するに直属の上司が私のところにやってきた。業務連絡として、前に申請した資格試験の願書が受理されたという書類と、研修のお知らせという書類を置いて帰ってしまった。それで、参っている。

前から言っている通り、私はこの仕事を続ける気が無い。保険のつもりで正社員登用の話を受けたけれど、あれから一月も経たない段階で、もはや保険を掛ける気持ちすらなくなっている。私の行きたい方向に行けても行けなくても、もう来年の4月以降、この会社に残るつもりは微塵もないのだ。

とはいえ、引っ込みが付かなくなっている。正社員登用試験も受けなければならないし、話を有利に進めるために資格も取っておけ、ということになってしまった。その上に、この研修のお知らせである。

研修なんか行かなきゃいいじゃん、と言われるだろう。私だって今まではそうしてきた。でもそれは、正社員向けの研修だったからだ。今回の研修はバイト向けに用意されたもの。そして受講資格欄にこう書いてある。「やる気のある社員」。これはまずい。

行きたくない、行く意味も無い。しかし、やる気が無い、とは言えない。話によれば、希望者に先着順で参加資格が与えられるらしく、「もし無理だったら諦めてくれ」と言われてしまった。……ということは、私は「やる気のある社員」として、参加意志を表明することが既に想定されている、ということなのではないか。そりゃそうだよなぁ、だって正社員化キボンヌ(死語)とか言ってる奴が「やる気なし」じゃ話にならんもんなぁ。

さて、素直に行きたくないっす、と言うべきか。それとも定員オーバーに望みを掛けて、とりあえず「やる気のある社員」を演じてみるか。いや、やる気が無いのはとっくにバレていると思うんだけど。