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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

夜に書く手紙

愚弟が、といいたいところだが、弟は私よりよほど優秀。このたび長年目指していた職にありつけたとかで、今月終わりには家を出て横浜に行くという。なんともおめでたい、のだが、家を出る直前になって、母親と言い合いを始め、長年鬱積させた思いを爆発させる、というわけの分からない事態が発生した。

話を聞いていると、いいたいことは分からんでもないのだが、半分くらいは言いがかりにも聞こえる。私なんかより随分大人だと思っていた彼が、年相応の幼い男であったことがこんなタイミングで分かってしまって、すこしがっかりした。愚兄の弟は、やはり愚弟なのだろうか。こういうときは、親にありがとうといって家を出るもんだと私は思っていたのだが。

何にしても母親の落ち込みっぷりが見ていられず、このままじゃ貴乃花花田憲子みたいになるんじゃないかと思い、私は花田虎上にならないように、弟宛に手紙を書いた。また何事もなかったかのような日常に戻っているけれども、彼には何か伝わったのだろうか。

というか、的外れなことばかり書いたような気もして、書く必要が無かったんじゃないか、とふとした瞬間に軽い後悔の念がふっと頭をよぎる。何にしても、夜に手紙を書いちゃいかんな、と思う。