京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

『言の葉の庭』

言の葉の庭 入野自由 花澤香菜 ほか

GYAO!にて無料視聴。恥ずかしながら、新海誠という監督を『君の名は。』で初めて知った。『秒速5センチメートル』っていうタイトルだけ知ってるアニメ映画があるけど、それの監督だったんだねぇ。で、この監督の2013年の短編作品がこの『言の葉の庭』。これを観て、あぁ私この監督の結構好きだな、と思った。

話はさ、大したことないのよ。雨の日は新宿御苑(的なところ)で学校をサボることにしている主人公の男子高校生が、そこで朝っぱらからビールをかっ喰らう美女と知り合って交流を深めるものの、実はそれが自分の学校の先生だった、という話。主人公は、靴職人になりたいという夢があるものの、家庭環境のこともあり、誰にも夢を語らなくなっている。美女の方は学校で生徒のゴタゴタに巻き込まれて精神が参って味覚障害まで出てきている状態。ひょんなことから少年の夢を知った美女が、彼の夢を否定しなかったことで、少年は美女に惹かれていく。一方、美女は自分の素性を明かさぬまま少年と逢瀬(?)を重ねるうちに、彼に癒やされている自分に気付き、彼女もまた彼を意識し始める。

学校サボってたらショートヘアのスレンダー美人古典教師(27)と恋に落ちましたって、「田舎の美人女子高生と心と身体が入れ替わった東京の男子高校生が、隕石落下から村民を救う」話の方が、まだ現実味があるだろ。恨めしくて、口からよだれ出るわ。

新海誠は、良くも悪くもストーリーテリングの巧みさで持って行く作家なんだな、というのが感想。謎をふっかけて、秘密を明かす。そのタイミングとテンポが本当に上手い。この作品で言えば「実は主人公が通う学校の先生でした」というところ。『君の名は。』でいうと、「実は彼女は隕石落下で死んでました」というところ。これ、いわゆるミッドアクト・クライマックス(ミッドポイント)という奴だ。ここまでビシッと決めてくる作家はなかなかいないのでは? どんな話でも、これくらい巧みに語りたいものだ。

ちなみに、ラストの締め方も結構好み。ちょっとミーハーっぽいけど、この人の他の作品をもう少し見てみたいな、と思った。

劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD

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