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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

まれに見る穏やかさ

前々から愚痴を言っていた研修に「やる気のある社員」として参加してきた。いつもより少し遅めに家を出ると、雨だという天気予報とは違い、穏やかな朝日が地面を照らしていて、少し乾いた涼しい、秋を思わせる空気が通り過ぎていく。なんだろう、気持ちが妙に落ち着いている。初めて行く場所なのに、初めて会う人たちがいるのに、緊張もしない。一体なぜ?

オフィス街にあるドデカいビルの一角で研修は行われる。周りにはサラリーマンがたくさん。きちんとスーツを着て、みんなに混じって歩いていると、なんだか嬉しくなってくる。もう、訳が分からない。

研修は女の子が3人と私で、4人しかいなかった。普段の私なら、緊張しすぎてどうかしているところ。しかし、まるで平静。講師との受け答えもバッチリ。今後ともよろしくお願いします、なんて挨拶する余裕すらある。

先に会場を出てエレベーターを待っていると、女の子たちが遅れてやってくる。そこでも二言三言と会話を交わしている私。っていうか、自分から話しかけていたりしていた。自分の中で何が起こっているのか、全然把握できない。

そこからは通常業務のため、いつもの職場へ。洗練された街を歩いていると、ワクワクしてくる。良いなぁ、綺麗だなぁ、と何を見ても感慨深く思えてくる。おかしい。女の子と話すとなると、失敗すればそれ自体に凹み、上手く話せれば過去と対比して凹み、街を歩けば見る景色に凹み、出会う人間に凹み、というのが私なのに。

職場に到着して、仕事をしている間も、ずっと気持ちが穏やかで、妙に積極的だ。一日のうち、一秒も凹まなかった、落ち込まなかった、こんな日があるのか、と思った。そして、こんな日が昔からあればなぁ……という凹みすら、この日はなかった。

凄い日だった。毎日、こんな日が訪れないだろうか。