京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

若い頃を棒に振る

いまが辛くてたまらなくなる。どうしてこんなことになってしまったのか。過去を振り返ってみると、もう手の施しようがないような、大きくて真っ暗な穴がぽっかりと空いている。コイツのせいだ。こんなになるまで放置していた昔の自分を恨めしく思ったりもした。でもどうしようもなかったんだ、と過去の自分は釈明してくるし、その言い分が私にだけは理解してやれるような気もして、最近はあまりそれを咎めることもしない。しかし、穴はどうしても埋めることが出来ず、私の人生をどんどんと侵蝕していく。

今が辛い、昔を思い出して辛い、そして、未来を思うと辛い。これまでのことを思えば、これからのことなんて大体知れたもの。といって、満たされたい気持ちがないわけではない。いやいやでも生きている以上、未来に希望が欲しいと思わないわけではない。だが、万が一にも私に満たされた未来がやってきたとしたら、私はきっと過去に残したままの穴が気になって仕方なくなると思う。それでやっぱり、その未来は満たされないものになってしまうと思う。

要はさ、童貞はずっと童貞のままで、仮に彼女が出来ても童貞だった頃のつらさが強調されるし、彼女が処女かどうかが気になるし、それで処女じゃなかったら悲しいし、でも処女だったら彼女の相手が自分で可哀想だな、と思うようなもの。

社会的に成功しようが、好きな女をものにしようが、上手いものを食おうが、すべてはこの調子で、きっと私は絶対に幸せにはなれない。

29年間ブスだと罵られて人生メチャクチャだったという韓国人が整形して新たな人生を踏み出す、とかいうテレビを見て、そんなことを考えていた。若い頃を辛い思いで棒に振ってしまった人が、その後に人生を取り返せる、なんてどうしても思えないし、そんな風に思える心の強さがあれば、若い頃を棒に振ったりしなくて済むんじゃないかな、そもそも。