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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

道は一つ?

大笑いである。ぐちぐちと言いながら受けた正社員登用試験だが、落とされていた。

正直なところ、受かってしまった、と思っていた。もっと手を抜けば良かった、いい加減にやりつつも、ついつい真面目に取り組んでしまった、と後悔していた。8割5分くらいの力で臨んでしまったのを、6割くらいにしておくべきだった、と。

なんのことはない、私の8割5分の力では通用しなかったわけである。不思議なことに、少し凹んでいる。行くつもりがなくても、試験に落ちる、という事実は人を落ち込ませるのに十分らしい。

ともあれ、これで私がこの会社に止まるのに理由は何もなくなった。まぁ来年以降、再度試験を受けることも出来なくはないのだが、このモチベーションである。来週以降の仕事に対するやる気も、元々0なのが、マイナスに割り込んでいるくらいだ。中学だって高校だって3年で卒業なのだから、もう潮時だろうな、と思う。

といって、次にどの道を進もうか。シナリオを書いて生きていきたいなぁなどと思っているけれど、自分に才能がないのは明白。才能のない自分に向き合うのは辛い。完成までの途方もなさを思うと気が遠くなるし、実はあんまり書くことが好きじゃないのではないか、と思い始めている。それじゃやりたくない今の仕事と同じだ。安定した生活のことを思えば、むしろマイナスの方が大きい。

じゃあ、何の仕事に就こう。サラリーマンは嫌だ、接客は嫌だ、セールスも嫌……残されたのは、手に職を付けること、か。つまり、職人だ。しかし、手先の器用さ、センス、いずれにも恵まれていない。そもそも脚本家だって職人じゃないか。私のように平凡な中流家庭で不自由なく普通に育ってきた人間に、大勢が歩く道を外れて生きることは出来ないのだ。といって、実はもう大勢が行く道を随分外れて歩いていることも、また事実。

もう30歳か。どれだけ生きるか知らないが、普通に生きるなら、あと倍は人生があるだろう。それをどう生きるか。もう生きたくないんだよなぁ。センスがあれば音楽家に、創造力があれば劇作家に、知能があれば大学教授になりたかった。