京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

シナリオの時間管理

二時間映画のシナリオは、1エピソードあたり6分、概ね20個のエピソードの連なりから構成される。ここでエピソードというのは、シーンのことではない。

シーンというのは、場面のことで、シナリオで言う「柱」に相当する。つまり、時と場所を表す言葉だ。シーンとシーンをつなぎ合わせることで、場所が変わり、時間が経過したことが分かる。一定量のシーンが集まると、シークエンスになる。

たとえば、靴を履いてドアを開けるシーン、家から駅まで歩くシーン、電車に乗るシーン、駅から出てくるシーン、目的地に到着するシーン、とつなぎ合わせれば、「外出」のシークエンスになる、というように。しかし、これはエピソードではない、と思う。物語が進展していないからだ。言い換えれば、物語全体に対する機能(意味)を持っていないからだ。

映画は7つのシークエンスから構成される、と川辺一外は論じたが、この場合、シークエンスはエピソードと同様に、物語を推進させる機能を持った構成要素、の意味で使われている。もちろん、20個のエピソードより、7個のシークエンスの方が、一個あたりのサイズは大きくなる。なんにしても、シーンや幕と違って、シークエンスはかなり曖昧な使われ方をしていると言える。

なお、このほかにも13個のロットや15個のビートから映画が構成される、という理論がある。この「ビート」という言葉も、理論家によって全く違う使い方をされるから注意がいる。話がそれたついでにいっておくと、テーマとかモチーフという言葉も、随分いい加減に使われているから、そろそろどこかで用語を統一しておく必要があると思う。

本題に戻ろう。1個6分、20個(19個)のエピソードが、8つの局面を構成して映画を作る、と論じたのは純丘先生。この理論を読んだとき、私の最も愛する映画(『八日目の蝉』)がまさしくこれだと直感し、自分もこれでシナリオを書きたいと思った。

しかし、書き始めて分かるのは、エピソードの管理が大変なこと。ワードなんかでぶっ続けで書いていくと、どこからどこまでが1エピソードなのか、そのエピソードがいま何分続いているのか、まるで分からなくなる。そして、こっちをいじればあっちの辻褄が合わなくなり、あっちをいじればこっちが、という風に調整が必要になるが、シナリオが長くなるにつれて作業効率が目に見えて落ちていく。

そこで考えたのが、一太郎のシートを使う方法。シートを20個用意して、横一列に並べてしまうのだ。20字×40行の800字で2分のシナリオになる。1シートにこれが3枚。普段はドラフト編集(入力専用モード)にするが、これをイメージ編集に切り替えれば、縦書き文書3枚を一目で見られる。各シートで行数カウントを指定しておけば、各エピソードの進捗状況も一目瞭然、というわけ。

ただ、これもやってみて分かったことがいくつか。シートは、1ファイル内に複数のファイルを持たせる、という目的の機能であって、私のような使い方が想定されていない。だから、複数のシートを一つの文書にまとめるには手作業が必要になる。これだと、各シートでの話の進み具合は分かるが、全体で何%話が出来上がっているのか、コピペを20回繰り返してひとまとめにするまで分からない。また、シートの切り替えと、入れ替え・編集も効率よく出来ない。横に20個並べると、両端が隠れてしまうし、どのシートに何のエピソードを書いたかが見えないのだ。

もしかすると、私はアウトラインプロセッサというものを買うべきだったのかも知れない、と思うのだが、あれもどうなのだろう。私のイメージするアウトラインプロセッサは、左右のどちらかに文書の階層構造(目次)が表示されて、中央に本文があり、目次をクリックすると本文の見出し部分にジャンプする、というもの。でも、これじゃダメなんだよね。書いている最中は、各見出しとその内容を800字三枚で表示させたいんだ。全体を一続きにするのは、完成段階になってからだから。設定次第でそういうことも可能なのだろうか。

あとはシナリオの書式の問題か。いちいちインデント設定するのが面倒でたまらん。なんか良い方法ないかなぁと思う。っていうか、そんなことを言い訳にしてないでさっさとシナリオを書けよと思う。