京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

鴨藝式読書術

少し真面目な話。自分で、これ、といった本の読み方をしているわけではない。読むもの、時間、場所、によってまちまち。これがイケナイんだろう。そこで、自分でも、結構上手に内容を消化できたな、と思った読書体験を振り返り、自分の方法にしてみようと思った。私の読書法は、以下の6点でまとめられると思う。どれも至極当然のものばかりで、今更何を言うとんねんアホか、と突っ込みが入るかも知れないが、おっしゃる通り私はアホなのである。なので、我こそはアホ、という方には何かの参考になるかも知れない。っていうか、これくらいのことは絶対に誰かがどこかで論じているであろう内容だ。

1. 読みたい本を読む
いきなり当たり前のことを言うが、これが鴨藝式読書術の肝である。ずばり、読みたい本を読む。読みたい本じゃないと内容が頭に入ってこないのだ。小学校の頃、読書感想文を書くために読みたくない本を読まされたことが誰にでもあると思うが、あれほど辛い時間もなかったであろう。上司やら知り合いからの「オススメの本」も似たようなもの。自分で探した読みたい本を読むこと、それ自体に意味がある。読みたくないなら本なんて読む必要は全くない。
とにかく、読みたいと思った本、興味がある分野の本、を読む。知りたい、読みたい、と思ったときがその本の旬だ。たまに旬を逃すときがあると思うが、その時のために「積ん読」という技術があるので心配しない。案ずるべきは、絶版・品切重版未定で、「本は手に入るときに手に入れておく」を座右の銘とする。
ちなみに、読み始めてから、「あれ? 思ってたのと違う」というときが往々にしてあると思う。その場合、それは読みたい本とは違うので撤退しても構わない。自分にとって必要な本を読み、それ以外を退けるのが、最高速の速読であり、最重要の読書技術だ。

2. 自分のレベルに合わせる
難解な本は読まない。難解というのは、自分には分からない、という意味。難解な本はいくら読んでも自分のものにはならない。自分はアホであることを深く噛みしめながら、ちょっと背伸びするくらいの読書を心がける。
なお、自分が勉強不足だから難解に感じる本というのがある一方で、ただただ難解、読者に理解させるつもりがない、書いている本人すら分かっていない、という本もある。多分実際は、読めない自分がアホなのだろうが、そういうときは書いてる奴がアホだということにしておいて、撤退するか積ん読に回す。

3. 目次に沿って読む
そりゃ前から順に読んでいけば目次に沿って読むことになるんだけど、ここで言うのは、目次を意識する、ということ。本全体の中で、自分がどこにいるのかを確認しながら読んでいく。目次は、それが自分の読みたい本かどうかを判断する基準であり、内容を整理していくときの基準でもある。読み始める前に目次を見る、読んでる最中も目次を意識する、読み終わったら目次に沿って内容を思い出す。鯨と目次には捨てるところがない。

4. 最後まで読む
これ。私はしょっちゅうこれで失敗する。途中で用事が入っても、しばらくサボって間が空いてしまっても、難しくてそれまでの内容があやふやになってしまっていても、飛ばし読みでも良いから、とにかく最後まで読み切る。
本というのは、全体と一部が密に繋がっていて、一部を抜かすと全体の理解に関わるし、全体を読めば一部の理解が深まるように出来ている。分からない、と躓いても、そこで立ち止まらずに最後まで走りきると、何となく分かったりするものだ。
なるべく、既に読んだ部分を忘れてしまわないうちに、全部を読み切るようにしたい。

5. ページ番号を控えていく
本を読んでいると「これだ!」という瞬間に立ち会うことになる。その時のページ番号をメモしておく。何行目かもメモしておいていいかもしれない。一つ章を読み終わるごとにザッとまとめをしておいてもいいけれど、そこに時間を掛けすぎると、最後まで走りきる体力が無くなる可能性があるから、その場合はキーワードや一言コメントにとどめておく(一息で読める本か、腰を据えて読む本か、で態度は変えて良いと思う。)
ちなみに、本に直接書き込んだりポストイットしたりする人がいるが、あの人たちがやってるのは多分この作業。私は本は絶対に汚さないタイプなので、読書メモを使う(後述)。

6. もう一度読む
控えたページ番号を中心に再読していく。自分の関心のある点が、その本の中でどのような位置を占めているのか、やはり目次を頼りに特定し、感想文を拵える。これでとりあえず「読破」と言って良いことにする。必要に応じ、目次(章・節・項)を基準にして内容を整理していく。ざっくりとなら章ごとに、細かく行くなら項ごとに、という具合。
ただし、情報やデータを転写したり羅列するだけなら、あまりやる意味は無いかも知れない。本さえ持っていればいつでもアクセスできる訳だからね(そのためにもページ番号を控えておくのは有効じゃない?)むしろ、それらが自分の中を通り抜けたときの意義に注目して自分の言葉にすることが肝要。そのためには、情報そのものより、情報の使われ方(議論の流れ、論理展開、考え方)の方に注目したい。

読書メモについて
以前、「並行読みと一冊ノート」という記事を提出したが、これは机上の空論だったと言うことで撤回。私は相変わらず「チマチマとメモを取るスタイル」で行っている。何にしても、読みっぱなしにするのと、自分で字を書く作業を入れるのとでは、理解度が大きく変わると思う。原則は、読んでる最中に書くなら軽いメモにとどめ、読み終わったらしっかり文章化すること。初めての本を読むときに、つらつらと書きながら読むと、多分どっちもおざなりになってしまうと思う。初見の本は再読時どこをメモするか、ロケハンのつもりで読む。

自分だけの方法を見つける
さて、長々と書いてきたが、飽くまでこれは私の方法。しかも、いつもやっている方法ではなくて、自分を振り返ってみて気付いたことをまとめたものだ。この手順を踏んで読んだときは読後の充実感が普段とは異なる。きちんと元を取ったなぁというか、後腐れ無く次の本に行けるなぁというか。
これだけは自信を持って言えるが、何をするにしても、方法には実感がなくてはならない。万能の方法はない。学問に王道はない。自分だけの方法を探す! それ自体がまた楽しいものだ。