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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

秋の京都を喰らう

祖父の米寿のお祝いに外食してきた。京都の料亭で。いろんな意味で恐ろしく、いろんな意味で感慨深かった。

そのお店は爺ちゃんの思い出の店。すぐに具合が悪くなってしまうため家に籠もりっきりの祖父母は、久々の外出ということもあって、とても喜んでくれた。こんなに長く生きるとはなぁとか、もうこれが最後だなぁ、と爺ちゃんが挨拶をしているのを聞くと、本当にこれが最後になってしまうだろうなぁと寂しさを感じ、もうすっかり頼りにならないお年寄りでも年上の人たちはいてくれるだけで安心感がある物だなぁ、と不安を覚えた反面、色々あっただろうけど長いこと頑張って生きてきたねと目の前にいる老人がとても愛しく思えたり、こんな風に穏やかに最期が迎えられたらそれは十分幸せだよなぁと優しい気持ちになったりするのだった。

料理は美味かった。冷たいお造りから始まる「和食」というものがどうも苦手で、何を食ってもボケた味しかしないとずっと思ってきたのだが、こんなにも味わい深く香り高いものだったとは。食える物が出てくるのか心配していたのだが、どれも美味かった。むしろ量が多すぎて食えないんじゃないかというくらいだった。まぁまぁ、もちろん、相応の値段がするわけで、もう一生食うことはないんじゃなかろうか。私は良いけど、自分の親のお祝いもこれくらいの店に連れてきてやりたいなぁと思う。

それにしても、秋の京都は外国人だらけ。彼らに合わせて観光地も露骨に商売に走っている。もはや風情もへったくれもない。経済的な観点からすればそれは結構なことだろうけれども、果たしてこれでいいのかなぁと思うね。