読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

ロックハンマーで脱獄する

仕事中、笑うな、と叱られた。単調な仕事だからなるべく楽しくという上司と話していたときのことだ。話すと言っても、談笑していたわけじゃないし、時間は一分にも満たない。仕事の当番をどうするかという話で、厳密に言えば仕事に無関係な話でもない。いわゆるコミュニケーションという奴じゃないのか。その上司であるおじさんがアホなことを言うので思わず二人でフフフと笑ったのだった。それを「笑うな」という別の上司。

うちの部署のルール厳守・マニュアル主義・形式主義を統括する上司のことだから驚きもしないが、腹が立つのは自分が別部署に電話をかけるときはデカい声でガハガハ笑っていることと、二人で話していたのに私だけに注意してきたことか。まぁ屁理屈正論織り交ぜて人を「論破」してくるんで面倒だからなるべく関わらないようにしているのだが、うちの部署はほとんどがこの調子で、人の仕事のあらを探すのが大好き。そろーっと近くにやってきて、あれはダメこれはダメ、この前のあれもダメ、って確かにそうなんだけど、他部署が比較的自由にやってるのを見ると、本当にアホらしくて嫌になる。トイレに行くにも一言声をかけなきゃダメで、しかも笑うなってか。なんだよ、ここ刑務所かよ。

その後、件の上司がいない間に、来年は土曜日が祝日になってしまっている日が4日もあるらしい(いきなり話は変わるが、「土曜と祝日が重なっちゃってる」ということを言うのに全く言葉が出てこなくて自分の脳を疑わざるを得なかった)というような話になって、その後、いやぁホントだ、でもGWは何連休で、夏休みはここら辺で貰おうか、正月の休みは再来年の方が長いな、なんてことを話し合うおじさんたちを見ていたら意識が遠のいていくのを感じた。来年も私はここにいるのだろうか――と。

小さなロックハンマーでも、掘り続ければいつか壁に穴が空く。誰にも知られないように、ハンマーは本に隠して、毎晩ひっそりと掘り続ける。不満をため込め。不屈であることしか、ここから出る術はない。そう言い聞かせて今日も仕事を終えた。