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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

私には分からない

あるドラマを見た。いま日本で一番著名な大御所の脚本家による作品だ。私は基本的にこの人の書いたものが好きである。努力してどうにかなる話ではなく、努力してもどうにも出来ない人の悲しさ、努力すら出来ない人の悲しさを、いつも取り扱っているから。世の中に絶望しない、期待もしない、でも無関心になる訳じゃない、諦めるわけじゃない。矛盾を解決するのではなく、矛盾を矛盾のまま受け入れる、それがドラマになる。そういうことが出来る作家だ。小市民の何気ない行動が持つ劇的さをここまで捉えられる作家は後にも先にもこの人だけ。

しかし、今日見た作品はどうだろう。全くといって良いほど、面白くなかった。嘘、大げさ、そしてしつこい。この人のドラマにはありがちだとはいえ、違和感が酷くて、どうにも話が頭に入ってこない。しかも、各人、同じ話を4,5回は繰り返すので、よく耳を傾けていると話が全く先に進んでいないことが分かる。極めつきは、重要な役を演じる大物女優。いくら何でも下手すぎるだろう。

テレビドラマってこんなものなのか。こんないい加減なのか。こんな程度で良いのか。と凄くがっかりした。一流と言われている人でもこの有様なのだから、自信を持てということか。私には分からなくなってしまった。