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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

映画って弱いよな

舞台を見に行くといつも、映画って弱いよなと思う。この弱さって何なんだろう。

ある人が言っていたことの受け売りなんだけれども、芸術というのは繋がりを感じるものだ、というのね。人間というのは分かり合えないものでしょう。分かり合おうとするけど、分かり合えない。まぁだからこそ、そこに人間関係が生まれてきたりするんだけれども、やっぱり孤独なものだと。それでひとりぼっちだ、と思うんだけれども、でもそれで終わりというわけじゃない。

何らかの繋がりの末に、いま私が存在している。そこには自然とか歴史とか宿命とでもいうような、人智を越えた大きなものの力が働いている。それを感じましょうよ、というのが芸術なんだと。だから、ナルシスティックなものは芸術じゃない。それはその人個人で完結してしまっているからだ。芸術というのはカタルシスじゃないといけない、と。

その上で、演劇という営みは場が一体になる唯一のものだ、と論じるわけ。小説は孤独な営みだし、映画だって閉じられてしまっている。役者が演技をする、観客が反応する、それを役者が受け取って演技に反映される。そういう一体感を得られるのは演劇だけだ、というんだな。だから演劇は芸術なんだ、と。

小説と演劇と映画と。私は映画で味わった感動が一番衝撃的だった、にも関わらず、小説や演劇に触れると、どうしても弱さを感じる。もちろん、小説を読んだときや、演劇を見たときに、映画の強さも感じたりするんだけれども。しかし、この強さと弱さの違いを、いまいち掴みきれない。一体、何が違うんだろう。