京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

触媒

私は自分が馬鹿なせいか、昔から賢い人を見つけるのが得意だ。私は自分が馬鹿だから、馬鹿とは付き合いたくなくて、そういう人と友達になる。といっても、最初から「賢い人」というのは、私のような馬鹿を相手にしない。だから、私が仲良くなる「賢い人」というのは、いつも、まだ自分が賢いことに気付いていない。少なくとも、他の誰もが、そいつが賢いことをまだ知らない。本当にこのパターンが多い。

塾のトップのクラスに行った奴、京大に行った奴、文科省の官僚になった奴、医者になった奴……言っちゃ悪いが全員が最初はパッとしない奴らだった。だって最初は私と同じか私より少し下にいるんだから。それくらいパッとしない。でも、私が彼らに抜かれてしまうことを、私は直感する。そして、その通りになる。

先日正社員に受かった年下の彼もそうだ。大学中退後、半ニート、フリーター。私とどっこいどっこいの社会不適合者だ。でも、私は彼の頭の回転と要領の良さに早くから気がついていて、思った通り、仕事で次々成果を上げていった。今回の合格も、まずウェブ上の試験の成績が良かったんだとか。

私が心の中で「きっと負ける」と思うから、私は負けてきた。彼らは私を糧にしている。私は触媒になってしまっている。そんな風に思ったりもする。それはただの僻みなのだが。なんにしても私が「賢い」と思った冴えない奴はそこそこ成功する。占い師とか、向いてるのかも。