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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

恋する

夕食を家の近所のレストランで摂った。大戸屋で定食を食うつもりだったのに、なぜかココに。そんな大層なレストランではない、とはいえ、ロイヤルホストより少し高いくらいのお店で、そんなにしょっちゅう行く場所ではない。実際、ここに来るのは十年ぶりくらいじゃないだろうか。久々に来てみると、こんなに落ち着いた小綺麗な店だったのか、と仕事帰りのみすぼらしい自分の格好が恥ずかしくなった。

駐車場にはいっぱい車があったのに、店の中は思ったよりも空席が目立った。なのに、私たちは少し待たされた。接客は非常に丁寧なのに、水やらおしぼりが出てくるのも遅いし、料理もなかなか運ばれてこない。要するに、人手が足りていないのだ。私の席はキッチンの近くにあったのだが、給仕さんが料理の手伝いまでしてるんだから、そりゃこうなっても仕方ないだろう。

店長とおぼしき働き盛りの男性はスマイルが張り付いて取れないような顔をしていて、エラいなぁと思った。この仕事が楽しいなら別だけど。私たちを担当してくれた女の子と、もう一人の女の子、近所のおばちゃんが忙しいから急遽ヘルプで入ってきましたみたいな女性と、トータル4人でフロアを担当しているようだった。

私たちを担当してくれた女の子は、華奢で背筋がピンとしていて、テキパキと動いて、言葉遣いもハッキリしていて、しかも落ち着きがあって、私よりも年下だろうに、とても大人に見えた。そして、何よりこの店の雰囲気に合っていた。バイトなんだろうけど、板に付いていた。

もう一人の女の子は、少し大柄で、一生懸命さの伝わる女の子だった。先の彼女と同様に仕事はできるようだったが、どこか元気がありすぎて、ファミレスのような雰囲気が出ていた。まぁ、ファミレスとそう大した違いはないんだけどね、この店。

言うまでもないが、私は先の女の子が気になった。別にさ、とびきりの美人だというわけでもなく、話したこともないのだから性格だって分からないのだけれど、こうやって男って言うのは行く先々で女性を美しいと思い、恋の一歩手前のような感情を勝手に抱いて、そして当然成就しないその恋のようなものはそのまま消え去り、失恋のようなものを経験する。男って、と一般化したけれど、私だけなのだろうか。あなたもそうではないのか。

ちなみに、飯はまずかった。メインディッシュがまずかった。これまでこの店でこんなにまずいものを食ったことがないから、たまたまハズレを引いたって言うことなんだと思うが、こりゃロイホの方が絶対に美味いと思った。