京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

お義兄さん

弟が結婚するんだって。凄いなぁ、私たちはあんなに小さかったのに、私なんか未だに大人になれていないのに、もうそんな風に時が経って、こんな風になるんだな。同じように時間を経てきたはずなのに、彼は大きく成長してグイグイと道を進んでいって、私はずっと変われなくて。別に、悔しさとか僻みとか、そういう感情は全然ないというか、とっくに失ったなぁ。しかし、形式的にはめでたいなぁと思うけれども、実感というか感慨は湧かない。ただ圧倒されるというか、あぁ私にはとても無理だなぁ、スゲぇなうちの弟、って思うばかり。

それで次の休日、彼は彼女のご両親のところへ挨拶へ伺うそうだ。うわぁ、スゲぇな。スゲぇスゲぇとしか言ってないが、それが私の素直な気持ち。スーツを着て、菓子折の一つでも買って持って行って、それは玄関で渡して、靴を脱いでそろえて、居間に通されて、私は何々と申します、いま何々で仕事をしていて、何々さんとは大学で知り合いました、いま何々さん結婚を考えています、なんて面接みたいなことをやるんだ。ひえぇ。そんなの、ドラマの中でしか観たことないなぁ。

ところで、それが終わったらその次の休みに、彼は彼女を連れて家にやってくるらしい。当然、私は席を外すつもりでいたのだけれど、もうすぐ親戚になるんだから、顔ぐらい出せばと両親は言う。えー、どう考えても私は場違いじゃないだろうか。

そこで、ネットを徘徊して意見を収集してきた。出席する・出席しない、は多分ほぼ半々だ。出席しない、の方が若干有力か。ただ、私が出席するつもりがないから「出席しない」をひいき目に見ている可能性はある。だいたい、意見はこんな感じ。

「出席する」
・今後、親戚になるから。(どうせ顔を合わせることになるから)。
・楽しそうだし、参加したい。
・兄(姉)として、弟(妹)をよろしく、くらい言いたい。
・一通りの挨拶が済んだら呼んでもらって、顔だけ合わせる。
・顔を合わせるのが礼儀だから。

「出席しない」
・二人のことだから、兄姉の出席は場違い。
・その場に居たくない。
・知らない奴が増えると、相手の方が余計緊張する。
・兄姉が複数いたが、誰が何をいうでもなく、全員外出した。
・出席しないのが常識。

まぁ、こんな感じか。私は、自分が参加している画を想像しただけで、それはあり得ないと判断できたので、外出しようと思う。ただ、翌日は仕事で、根っからの引きこもり体質である私は、家から出たくないという理由で出席もやむを得ないか、などと考えている。いや、絶対に出ないぞ(家からか? 顔合わせにか?)。