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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

クールジャパン

夢を見ていた。最初は夜中に家を抜け出して、京都駅のような黒くて無機質な駅っぽい場所をぐるぐる回って締めのラーメンを食おうとする、みたいな話だったんだけれど、場所はそのままでだんだん別の形を帯びてくる。

世界に向けてクールジャパンを喧伝する少し変わったアーティストを発掘するといった番組で、マツコ・デラックスが司会をやっていた。私はそこに参加するアーティストの一人で、継目なしにどんどんとアーティストが登場するという番組の演出上、私の前に出ていた人と、私の後に出てきた人のパフォーマンスも目にすることになった。まぁ、夢はいい加減で、一人目については私にバトンタッチされるまで、その人の目線で夢が進行していく。

その一人目は、音楽を聴くアーティスト。『牡丹と薔薇』でおなじみ岡本知高みたいな白い衣装を着た、アーティスト気取りのいけ好かない金髪の兄ちゃんで、音楽を聴きながらノリノリで駅の中を歩き回るというだけのパフォーマンスだ。その音楽に合わせるかのようにイルミネーションが点灯し、それをさも自分の手柄のように、指揮者のごとく手を振ったり、なんかよく分からない合いの手を入れたりしながら、同じ場所を何度も歩いて、最後にマツコのいるスタジオに入ってくる。

こともあろうにマツコはしきりに感動していて、これはクールジャパンだわ、なんて言い出す。アンタが一番、毎度のパターンで否定するタイプの人間じゃないか、と私は思いながら、既に自分の番が始まっていて、そこで二人目としてパフォーマンスを始める。

円形のスタジオで、トイレットペーペーのロールを投げて、俯瞰で見ると花の模様になっているという芸だ。これがまた恐ろしく雑な芸で、仮に綺麗に出来たとしても、あまりに単純なものだから、さっきの音楽を聴くだけのアーティストの方がまだマシなのかも知れないと思いながらやっている。それで、途中でトイレットペーパーもなくなり、スタジオに無造作に芯だけが転がるんだけれど、マツコの横にいたアシスタント役の女子アナがそれを拾おうとするんで、私が絶叫する。その転がった芯すらアートなのだと。マツコが苦笑いしていた。そりゃそうだろう。

そうすると間もなく、おのおのが思い思いの格好をしたエアロビダンサーのような人たちがワラワラと出てきて、第三のアーティストの番が始まったらしいと分かる。私はその場から立ち去るタイミングを見失って、端の方にいたのだけれど、やがて現れた三人目のアーティストに捕まってしまう。

彼は、肩に手を触れただけで人の緊張した筋肉を緩めてしまう姿勢矯正アーティストで、細身で背が高く、名古屋の大学院を出たというのが売りの、神経質そうな男だった。さっきのエアロビダンサーたちは、彼の患者兼弟子たちのようだった。目の前でひとりユルユルに解されてしまったのを見て、んなわけないじゃん、と思っていたら、私も彼の術で身体が緊張から解放されるので驚くのだった。

そしてひと言、良かったら私のところに来なさい、といわれて目が覚めた。