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京都鴨川藝術大学

Kyoto Kamo River Imaginary University of the Arts

バレていた

仕事が終わり、更衣室で着替えていた。暇だったし、働いたと言うほど働いてもいないし、役にも立っていない。いつもの話だ。それでもつい、身体の奥から「んーー」と唸り声が漏れ出てくる。

仕事がつまらない、単調で毎日毎日同じことの繰り返し、もう辞めたい。

――って思ってるな? と上司に言われた。えっ、○○さんエスパーなんですか、僕の心が読めるんですか、と本心をズバリ言い当てられながら、戯けて見せた。そんなもん、その顔を見たら誰でも分かる、と言われ、その場に居た他の上司全員が頷いていた。

そうか、バレていたのか。情けないな、と思う反面、言わなくても分かってもらえるんだ、という嬉しさがあった。バレていて当然なのだ。むしろ、直接言えないから誰かにくみ取って欲しいと、心では思っていたんだから。

そんなもの、同じ職場の人間に知ってもらったところでどうしようもないし、同じ仕事をしていて多かれ少なかれ同じような気持ちで働いているわけで、そもそも知られること自体望ましくないのに。

もっと給料の良い仕事探せば? と半分励まし半分嫌みで言われたが、しかし、そういうことではないんだよなぁ。まだまだ私は大人たちのように割り切って生きることが出来ない。